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「西荻窪の空と、僕と私たちの世界」第2号

(田中から山﨑先生へ)

 山﨑先生、すばらしいお言葉ありがとうございました。穴が空くほど熟読しました。鋭いご指摘に冷や汗が止まりません。それにしても、内容はけっこう難解ですね。「盗み聞き」をしている諸君は、どんなふうに消化しているのでしょうか……でも、いま全てを理解している必要はないのだと思います。今日はそのことについてお話ししましょう。

 さて前回、往復書簡プロジェクト発足の意図を田中からも説明せよとのご指令があったので、仰せのとおり説明させていただきます。伝えたいことがある、というのでは足りず、伝えなければならないことがあるという切迫感、といえばすこし近づくでしょうか。しかし、我々からのメッセージは、それを読んだその瞬間にただちに了解される必要はない。僕が届けようとしているのは、普段は皆さんの体内に身を潜め、いざという時に果敢に出動してくれる言葉たちです。いざという時って? いろいろありますが、究極的には、誰も・何もあなたを救いえないという絶望的な状況に陥った時です。矛盾ですね、誰もあなたを救えないのなら、僕や山﨑先生の言葉たちもあなたを救えない。でも、……紙幅が足りません。この先はまた別の機会に。 最後にこの言葉を置いていきます。

「人間は逃げ場がなくなれば、不幸と災難に耐え抜き、それを克服することができるものだ。人間には、自分でもおどろくほど強力な知恵と能力が隠れている。それを利用する気になりさえすればよい。」
(D・カーネギー編、神島康訳『カーネギー名言集』創元社)

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